SSブログ

今晩放送:「西村京太郎トラベルミステリー69 金沢~東京殺人ルート」 [黒川智花] [智花ウォッチング]

今晩ドラマの放送があります。

■ドラマ「西村京太郎トラベルミステリー69 金沢~東京殺人ルート」
9/16(日) 21:00~23:05 テレビ朝日系 白石雅美 役

また、智ちゃんのインスタの情報によると、秋クールの連ドラの撮影がクランクインした模様です。

■連続ドラマ「大恋愛~僕を忘れる君と」
TBS系で10月12日スタート 金曜 22:00 沢田柚香 役
http://www.tbs.co.jp/dairenai_tbs/

nice!(8)  コメント(0) 

奏劇「ライフ・コンチェルト」の感想 [黒川智花] [智花ウォッチング]

奏劇「ライフ・コンチェルト」の感想

9/1の夕方の公演に行ってきました。初日(8/29)に続いて2回目です。少し感想を書かせていただきます。公演中はメモは取ったりしなかったので全て記憶で書きますが、記憶違いが多々あるかもしれません。

IMG_3605s.jpg


(1)奏劇について
この舞台の新しい試みとして、役者による演技(朗読劇)と音楽の生演奏が交互に入れ替わるように展開していくことがあります。音楽は岩代さんが指揮者で他の演奏者4人の弦楽四重奏(ヴァイオリン2本、ヴィオラ、チェロ)で、たまに岩代さんがピアノで加わることがあったと思います。舞台に生の演奏がつくというのはオペラなどもそうだと思いますが、この舞台では音楽と舞台が同時ではなく、交互に来るところが珍しい気もします。

そして、音楽が舞台と一体になって雰囲気を盛り上げるという意味で「奏劇」は成功していたと思います。例えば、舞台の冒頭部分で普通の舞台だと何らかのセリフから始まるのが普通だと思いますが、この舞台ではやや重苦しく、やや荘厳な感じのこの舞台にふさわしい雰囲気に引き込む音楽から始まり、物語の世界に観劇者を引き込む効果があると思いました。ただ、私の場合だとあの音楽が生演奏でなく、録音だったとしてそれほど違いを感じなかったかもしれません(もちろん、オーディオ再生機器は良いものである必要はありますが)。私の音楽に対する感度がその程度だということだと思います。

IMG_3607s.jpg


(2)ストーリーについて
上演時間はちょうど2時間ぐらいだと思いますが、登場人物の数も少なく、ストーリーも比較的シンプルだと思います。この作品の制作のきっかけは、岩代さんが著名な教誨師について書かれたものを読んで感銘を受けられたということだったと思います。ここで、教誨師とは「刑務所で受刑者に対して説教することを任とする特殊な宗教家」(マイペディア)ということですが、特にこの作品では死刑執行を待つ死刑囚に寄り添って「執行までの残された日々の中で向き合い、語り合うという役目を担う」ものとされています。

登場する死刑囚は二人で、一人は老夫婦宅に押し入り、強盗殺人を犯して死刑が確定していた古戸健治(演じるのは大森博史さん)で、もう一人は娘の高校の同級生3人を殺した大島玲子(長谷川京子さん)です。登場する教誨師も二人で、一人はベテランの牧師・元村由紀夫(國村隼さん)で、もう一人は元村由紀夫が自分の後任に推すやはり牧師の塩野智嗣(高田翔さん(J事務所))です。塩野は少年期に屈折していて補導されたことがあり、その時に心の支えになってくれた元村に感謝と尊敬の念を抱いていたので、教誨師の仕事を引き受けることになります。智ちゃんは、大島玲子の娘の瑠璃の役で出演しています。もう一人、岩代さんの思いをストリートに語るナレータの人が登場します。

新米教誨師の塩野智嗣が古戸健治の教誨を行ったところ、乱暴な言葉で拒絶したかに見えた古戸でしたが、次第に塩野に心を開いていくことになります。その古戸の死刑執行の日が訪れ、強面の感じの古戸が執行前に(恐怖で)震えるシーンが一つの見せ場でした。大島玲子の方は、最初は元村が教誨を行なっていましたが、途中で元村は体調を崩して塩野に変更になります。大島玲子は何度も教誨師を変えるという経緯があり、元村にお鉢が回ってきた時に、元村はかなり緊張して玲子に接したようでしたが、意外にすんなりと玲子は元村に心を開いた様子でした。元村が牧師として説教をするというより玲子の話を聞くという姿勢を見せたことがよかったのかなと思いました。

玲子の娘の瑠璃(智ちゃん)が医師免許証(だったと思います)を落としたところを、塩野が拾うという偶然により二人は知り合いになります。因みに、医師免許証はかなり大きなもので普段携帯するようなものではないと思うので、この話は変ではないかと思いました。それはともかく、二人が聖書のことや(多分)お母さんのことなどについて語り合うシーンが出てきます。聖書では(私の記憶では)ルカ伝、ヨハネ伝(2回)などについて話し合われたと思います。瑠璃のセリフで教誨師の人は何でも神様のせいに(おかげに?)するからずるい、というようなものが記憶に残っています。

玲子の教誨を行なっていた元村も玲子は殺人犯ではないのではないかという気がしてきたようで、玲子が死刑になった事件を色々調べたりするようになりましたが、だんだんと殺人を犯したのは玲子ではなく、高校生だった瑠璃の方だったということが分かってきます。瑠璃が教誨師二人と話すシーンで、そのことを指摘(?)されても瑠璃は悪びれることなく、手術には練習が必要だいうような意味のことを言っていました。犠牲になった3人の高校生は(確か)自殺しようとしていたなど罪の意識を減じられる理由はあったようでした。

瑠璃の最後の台詞は、(お母さんへの手紙を朗読したものだったと思いますが)、(最近仕事が忙しくて会いに行けないけれど)これからも前を向いて強く生きて行きます、というようなものだったと思います。この手紙を読んだ玲子は不安そうな様子でした。その玲子の死刑が執行されることを暗示するシーンでは、玲子は「あの子を導いてやって!」という台詞を残します。このシーンの後、台詞はないですが舞台の暗闇の中に立つ瑠璃に一瞬スポットライトが当たり、瑠璃の表情がクローズアップされます。これが最後の見せ場だったと思います。瑠璃の表情は強い意志を感じさせるもので、ちょっと傲岸にも見えるものだったと思います。

書き忘れてますが、玲子の夫(瑠璃の父)は自殺で亡くなっていますが、その自殺が瑠璃が殺人事件を犯した時だったどうか、記憶がありません。もっと注意深く見ておけばよかったと思います。

IMG_3608s.jpg


(3)死刑制度について

この舞台は死刑囚と教誨師の物語ですが、制作者の岩代さんはナレーションを通して、死刑制度に対して意見を述べられています。岩代さんは、どちらかというと死刑制度は廃止すべきだという意見のようでした。廃止すべき理由として挙げられていたのは、1)わずかでも冤罪の可能性がある、2)死刑を執行する(ボタンを押す)事務官の精神的な負担、の二つだったと思います。但し、大切な家族などを惨殺された遺族の気持ちは尊重すべきというような意味のことも述べられていますが、これはよく死刑制度存続論者が述べる意見です。

この作品でも冤罪で死刑になる玲子が登場しますが、この玲子は以上のような理由で岩代さんが特に登場させたかった人物だと思います。劇中、玲子は死刑囚にしては比較的穏やかな心境なのかと感じましたが、娘の将来のために死んでいくという使命感を感じているからかもしれないと思いました。

最近、オウム真理教事件の首謀者たちの死刑執行を機会に、死刑制度の是非についての議論が巻き起こりました。EU加盟国で死刑制度を採っている国は一国(ベラルーシ)だけという話もあります。しかし、世論調査を行うと死刑制度存続の意見が圧倒的にようです。私自身もこのような超重大な問題で安易にどちらかの意見に同調してしまうのにためらいを感じます。みなさんは、どう考えられるでしょうか?

IMG_3609s.jpg


(4)演技について

以下、この舞台の出演者の皆さんの演技について感じたことを書きますが、かなり独断を含んでいると思います。また、舞台を見た日から少し時間が経ってしまったこともあり、記憶違いも多々あるかもしれませんが、ご容赦をお願いいたします。

まず感じたのは、國村隼さんと大森博史さんの演技がごく自然に牧師と凶悪事件を起こした死刑囚になっているなということです。少し喋るところを見ただけで、いかにもそういう役柄が感じられて、これが芸というものかと思いました。ベテランの味ですね。ただ、舞台公式HPに「元村は背中を汗でびっしょりになりながらも玲子との対話を重ねたが」と書かれていてるのに違和感を感じました。舞台の台詞にもそのようなものがあったように思いますが、私が見た感じでは元村と玲子の間にそんな緊張が走ったシーンはなかったような気がします(見たけれど忘れている可能性はあります)。大森博史さんの演技で、死刑執行前に震えるシーンは、初日と2回目に見た時で演技が変わったなと思いました。2回目の方が良かったように思います。

高田翔さんの演技は、上述の二人のような「味」は感じられませんでしたが、演技に特に違和感はなく自然に若々しい牧師の役を無難に演じているという風に感じました。因みに、この舞台の観客は女性が多く、多分8割以上がそうだったと思うのですが、高田さん目当ての観客が多かったのでしょうね。

これら3人の役が現実世界にもありそうな役なのに対して、玲子と瑠璃の役はかなり特異な役だと思います。特に、瑠璃の役は玲子という身代わりで死刑になる役を作るために無理やり作られた役のように見えて、ちょっとあり得ないような役だなと思いました。例えば、父親が持っていた七三一部隊の(恐らく)人体実験の「実験レポート」(「レポート」という言葉は軽すぎるので「実験報告書」や「実験データ」とかにした方が良いと思いました)を小学生の時に見て素晴らしいと感動したという話などは到底本当らしく思えませんでした。

従って、この二人の役はかなり難しいものではないかと思うのですが、長谷川京子さんの玲子には驚くほど違和感は感じなかったです。なんだか既視感を感じるような演技で、長谷川さんはどこかで同じような役を演じられたことがあるのではと感じるほどでした。長谷川さんは声にも魅力があるし、これまで特に感じたことはなかったですが、やはりいい役者さんなんだなと思いました。舞台の稽古について書かれた記事を読むと、玲子の役は難しくて役作りに苦労があったということが書かれていたと思いますが、演技から受けた印象からは、長谷川さんはごく自然に玲子になり切っているのではないかと思いました。ただ、あの自然に思える演技が、娘のために死刑に処される母親の演技として自然なのかどうかはよくわからない気もします。

最後に智ちゃんが演じた瑠璃ですが、驚いたのはこんな現実にはありそうにない役を演じているのに、智ちゃんが演じると急に本当らしくリアリティを感じようになるということです。以前、「恋する歯車」という映画のヒロインを演じたことがありましたが、この映画のラストシーンで主人公が銃で撃たれて瀕死の状態になり、その主人公の名前を繰り返し呼ぶシーンがあります。かなりリアリティを欠くストーリーでしたが、あの智ちゃんの演技のお陰でストーリーが締まったいうか、リアリティが出てきたと思いました。今回の舞台も同様のことを感じました。あのリアリティを欠く役を本当らしく演じるには相当な力量が必要なんだろうなと思いました。

瑠璃がやったことを二人の牧師から避難を受けるシーンもありましたが、瑠璃は静かに反論していたと思います。殺人を犯したのに自分だけのうのうとしているというような非難に対して、自分は愛する母親を失うというような反論にならないような反論もしていました。その辺りでは、「科捜研の女」での智ちゃんの演技を思い出したりしました。そのように過去に演じた悪役の演技が役立っていたとは思いますが、やはり役に成り切るということがリアリティの源泉ではないか思います。舞台が終わって、舞台挨拶になった時に智ちゃんがキョトンとした表情をしていたのが印象に残っています。ずっと役柄に成り切っていたので、まだ現実に戻り切ってないのかなと思いました。そう言えば、私が見に行った回では、カーテンコールがありませんでした。舞台観劇は結構していると思いますが、これは初めての経験かもしれません。これは残念でした。

智ちゃんの演技で一つだけあれ?って思ったのは、上述した(牧師さんは)「何でも神様のせいに(おかげに?)するからずるい」というような台詞のところでした。語尾のところの言い方がなんか中途半端というか、何かのニュアンスを表現しようとしたのか、試行錯誤しているのか、ちょっとよくわからない感じでした。あれは何だったんでしょう?因みに、もし私の記憶通りだったとすると、これはヨハネによる福音書第8章に関しての議論だったのですが、そうだとすると、姦淫をしている時につかまえられた女が連れてこられた場面で、「あなたがたの中で罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい」というイエスの言葉に関する議論だったのではないかと思います。罪を犯したことがない完全無罪の人はいないというような意味合いだと思います。

智ちゃんはいつも通り美しかったですが、眉毛のメイクは私の好みではない気がしました。ただ、あの役柄には合っているのかもしれないとも思いました。

ところで、この瑠璃という役をみなさんはどう感じられたでしょうか?智ちゃん自身の言葉がパンフレットに載っているので転載しておきます。「Q 印象に残った台詞や場面は」という問いに対して「終盤の瑠璃の言葉の数々が、どれも印象的でした。瑠璃の考え方は、現代の社会では許されることではないですが、ここまでの強い信念を持って医学のために突き進む姿は、自分でも神だと例えているように、神に近づくっていうか…なんて言うんだろう、神のようにも見える凄みっていうのを彼女からは感じます。」と答えています。智ちゃん自身も役者として芯のブレることがない強さを持っていると思いますが、瑠璃のような圧倒的な強さに憧れる気持ちがあるんでしょうね。しかし、私自身はもし瑠璃のような精神が実在したとしても、(倫理的なことは抜きに考えても)どこかで行き詰ってぽきっと折れてしまいそうな危うさを感じます。もっとしなやか精神の持ち主でなければ、本当には医学に貢献できないのではないかと言うのが私の意見です。

ということで、この舞台でも智ちゃんの演技を十分に堪能できました。「サクラパパオー」のように楽しい作品ではありませんでしたが、見て良かったと思える作品でした。できれば、DVD化などされてもう一度見逃した細かいところなどを見直して見たいなと思います。智ちゃんがこの役にキャスティングされたきっかけは分かりませんが、ラストシーンで瑠璃にスポットライトが当たるシーンが作られていることを考えると、智ちゃんの演技がこの作品の制作の人たちからかなり評価されていたのではないかと想像します。因みに、演出の深作健太さんは有名な映画監督の深作欣二さんの息子さんらしいです。智ちゃんのこの仕事が次に繋がるといいなと思います。
nice!(7)  コメント(0) 
Follow Me